鞠乃の文章置き場

書いた文章の保管庫です。

【推しの子163話感想/考察】アクアとゴローが幸せと思う風景

※推しの子原作163話読んだ方向け ※ネタバレ注意

※結構な重大ネタバレあるので、アニメ派、単行本派の方は非推奨。

※ふせったーに以前書いた文章(2024年10月24日)を再掲しています。

 

 

 

【推しの子163話感想/考察】
※アクルビ推しの文章です。

アクア(ゴロー)がルビー(さりな)の事を想っているのはよく分かったけれど…
あまりにも不器用すぎて、どうにかならなかったのかなって思ってしまう。

★さりなちゃんめっちゃ可愛い

とりあえずさりなちゃんが可愛すぎる。異論は認めない。

というか表情がルビーにかなり似ているのが気になった。アクアが見た夢だからってのもあるのかな。やっぱり魂は一緒なんだなーって思いました。


★アクアは助かるんかな…気になったこと

流れとしてはなかなか厳しいのですが…ラストページの文章からは、以下のように読み取りました。

ツクヨミちゃんの台詞「その全てが『君』で『星野アクア』だったよ」
⇒日本語的に微妙な表現。そのまま素直に読むなら、死亡ルートだけど…。

一応、「だった」の「た」には本来、過去形の意味はないっぽいです。
(過去の話に限らず、現在につながる出来事の場合にも使われたりする)
※サクッと調べた。間違ってたらごめんなさい!

なので「星野アクアだった」=「星野アクアではなくなった(死亡した)」と断定はできない。『君』=アクア=ゴローなので、アクアかゴローの片方の意識が残って生還するルートも考えにくいかなあ。


・ラストページ左下「”君”にサヨナラを──。」
⇒助からない可能性高めな文章。

ただ、アクアが"死亡してサヨナラ"ではなく、ツクヨミちゃんとの"サヨナラ"って解釈も一応できる。この場合は、ツクヨミちゃんがアクアに命を与えて身代わりとなり、アクアは生還。

ツクヨミ→アクアへの目線が、親→子、なので、ツクヨミが命を賭ける展開もゼロではないかな、という感じはします。カラス(?)の恩返し的な。


・ラストページ中央下「次号、そしてアクアは──。」
⇒死亡、生存、再転生のどれもあり得る。
(アクアは病院で目覚めた、生まれ変わったとか、いろいろな文章につなげられる)


163話を最初に読んだときは、死亡確定なのかな、と思ったのですが、一応確定ではなさそう?(かなり厳しい状況ですが…)

ラストページでアクアの姿が消えてしまっているのですが、あれはイメージ的な描写なので、ひとまず現実世界での描写待ちですね。

(率直にいうと、「アクアはどうなったの!?」みたいな引きが3連続(161話~163話)ずっと続いているので、「逆に生きてるんじゃ…?」みたいな気持ちもちょっとあります。あと、グッズの売り上げにも影響するだろうし)


★え、アクアが後悔してる…

163話は、150話のアンサー回でしたね。アクア=ゴローで確定。アクアと脳内ゴローの謎の会話も、今なら理解できる。

「僕は自分の気持ちに自信が持てない」って台詞があるけれど、150話はたしかにそんな感じだった。アクアとゴローで脳内会議(自問自答)を始めるし、自分でもわけわかんなくなっていたよね。

というか、アクアが「選択は間違っていたかも」とか「妹を遺してただ身勝手に死んで 周りに迷惑をかけただけ~」みたいな話をするのは意外でした。(162話で「良かった 今度は君より先に逝ける」って満足そうな微笑みを浮かべていたので)

通常なら「妹を置いていくと悲しませる」って思考回路になるところですが、そこは妹を守りたい一心で振り切ったのかなって思っていました。そっか、後悔しちゃったのか…(それも辛いなあ…)


後悔に至るまでの流れとしては、

さりなちゃんがB小町にいる夢を見る
→その景色を幸福に感じている自分って誰?
→ゴローとアクアはどちらも『君』(二つの視点があるけど人格は同一)
→選択を間違えたかも、身勝手に死んで迷惑をかけたかも

こんな感じですね。


アクアとゴローを切り分けられていれば、まだ良かったけれど、さりなちゃんの夢を見ているうちに、「アクア=ゴロー」ってことを思い知らされた。その結果、

「さりなちゃんの夢を見て幸せを感じている自分はゴローでありアクア」
「アクアなら消えても大丈夫って思い込もうとしたけれど、アクア=ゴローであるなら、やっぱりルビー=さりなを悲しませるのではないか」
「ルビー(さりな)を置いていったのは間違っていたんじゃないか」

って思ったのかな。


多分、「アクア」として身勝手に死んでいく覚悟はできていたんだと思う。映画公開できないかもとか、いろいろ迷惑をかけるかもとかは思っていただろうけど。アクアとしての夢を全部捨てて、ルビーを守ることに命をかけた時点で、ルビー以外の人たちへの気持ちを振り切った感がある。

アクアは「アクア=ゴロー」であると気付いたあとに後悔をしているけれど、実際のところ「アクア=ゴロー」に関係していて、影響を受けるのはルビー(さりな)だけ。だから結局、アクアは163話でもルビーとさりなのことばかり考えていて、彼女を遺していく身勝手を自覚して、後悔している。選択を間違っていたんじゃないか………………(って、そりゃそうだよー)


★"妹"を強調する意味

カミキと話すときのアクアが、ルビーのことをやたらと"妹"って呼び方をしていたのも気になっていて。一連の流れを見て思ったのですが、"妹"以外の属性を増やしたくなかったのかな、って感じがしました。たとえば、"ゴローに対してガチ恋しているルビー"とか、"ゴローとアクアの両方を好きでいてくれるルビー"とか。

150話で「さりなちゃんが幸せそうだから、そのうち俺(ゴロー)は消える」とか「ルビー(さりな)は雨宮吾郎の幻影を見てる」とか言い訳をしていたのも、「ルビーはアクアを見ていない」「アクアがこの世から消えても、ルビーは立ち直るから大丈夫」って言い聞かせているようで。

ルビーがゴローだけじゃなくて、アクアに対しても特別な感情を抱いていた場合。その事実に気付いてしまったら、アクアはますます、命を捨てることができなくなってしまう。カミキと心中する覚悟がゆらいでしまう。

アクアがガチ恋告白に向き合おうとしなかったのは、ルビーからの愛情(ルビー→アクア)に気付きたくなかったから……ってのもあるのかも。

今更嫌われるのは無理にしても、兄妹として一定の距離を保っていたほうが、自分が死んだときのダメージが少なくて済むから。だから、"妹"であることにこだわった言い方をする。

アクアに対して強い愛情を持たれてしまったら、ルビーのことをますますこの世に置いていけなくなってしまうよね。(兄が妹を置いていく時点で…って話ではあるんだけど)


★アクアの痛みも後悔もそのまま?

アクアが、妹を守れたことに満足して消えていくならまだ良いのですが、後悔したまま『星野アクア』としての人生を終えるのってどうなんだろう…?

「妹を守る使命を果たせた」って気持ちで消えていけるなら、ある意味アクアにとっての救いでもあるし、「今度こそさりなちゃんを救えた!」って達成感はあると思うのですが、163話でアクア君、「俺が消えたらルビーを悲しませる」「周りに迷惑をかける」って気づいちゃったよ……。
(そりゃあそうだよ……読者のほとんどがそう思っているよ…)

ツクヨミちゃんは、アクアのことを肯定して励ましてくれたけれど、アクアが死ぬ間際に気にしていること(選択を間違っていたかも、妹を遺して~)って部分には答えていないんよなあ。

アクアが死んだら、ルビーが悲しむのは確定事項だけど、本当にどういう流れになるんだろう。自身の行動を後悔したまま、ルビーを心配したまま死んでしまうのは、なんだかアクア自身が報われなさすぎて見てて辛い。

13ページでアクアが俯いている姿が、なんだか可哀想で。不器用すぎるよ、この人。展開としては苦しい状況ですが、どうにか生きていてくれないかなって思ってしまいます。

162話のラスト、満足げな表情で沈んでいくシーンで終わりじゃなくて、わざわざ後悔している様子を出してるわけだし……やっぱりこのまま消えちゃダメだよ、ってならないかな。

個人的には、生きてルビーの隣にいるエンド(カミキころしの罪はバレない。二人で一緒に罪を背負っていくエンド)を希望しています。無理なら「再転生(ルビーとの再会込み)」かな。

どの展開に進むとしても、ルビーがアクアに対して愛を返すターンを見たくって。どういう形で愛を届けるかは分からないけれど、彼の後悔を吹き飛ばすくらいの愛情を注いであげてほしい。どうにかアクアを救ってあげてほしいなって思います。